2019-09-05から1日間の記事一覧

百物語 七十四回目「火車」

7年ほど前の話である。毎晩終電車が過ぎ去ってから仕事場より帰るのが通例であった。まあ、忙しかったのである。電車がなければ、必然的にタクシーに乗って帰ることになった。確か1号線沿いを通って帰ったように思う。広く長い真っ直ぐな道は深夜を過ぎる…

百物語 七十三回目「かまいたち」

子供のころの話である。まだ小学生の低学年であったころ。なにかと血塗れになるような怪我ばかりする子供であったようである。頭部に傷を負うことが多く。額に何針か縫うような傷をよくおっていた。今では、特に傷跡も残っていないようであるが。小学生のこ…