少し前の話になる。 閉ざされた箱のような、こころからあふれ出す色で全てを塗りつぶせるような小さな部屋で。眠りと覚醒の狭間にある酷く細い隘路をゆらゆらとゆれるように行き来しながら。その部屋であいするひとを腕の中に抱いていた。そこは闇ではなく、…
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