2019-05-27から1日間の記事一覧

百物語 五十三回目「真白き花と星の河」

夜は黒いビロードのように、世界を覆っていた。その優しく滑らかな夜空の黒い幕に、無数に開けられた穴のような白い星々が輝いている。僕は、黒に黒を塗りつぶしたような夜を歩いていた。気がつくと、白い花が咲き乱れているような。あるいは、真白き骨の破…