2019-06-04から1日間の記事一覧

百物語 五十九回目「高く孤独な道」

僕は、その高い塔の上から、夜のそらを見上げていた。傍らにはあなたいて。穏やかな笑みを浮かべている。黒い幕を貼ったような夜空に、突然いくつもの亀裂が走った。亀裂の奥には、ビロードのような夜空よりさらに深く、濃い闇がのぞいている。それは何物に…