2019-10-10から1日間の記事一覧

百物語 八十四回目「反対に河を渡る」

僕は暗闇を歩いていた。黒く真っ直ぐ伸びている道の両側は、熱帯の密林のように木や草が生い茂っており。灼熱に燃え上がる生の光輪が闇色にあたりを染め上げてゆき。そのむせかえるように濃厚な闇の薫りに僕は、少し意識が遠のくのを感じながら。黒曜石か、…